「さようなら」
生きてきた時間の半分以上をかけて
嘘のように煌めいたあなたを追いかけた
鈍い鉛色した変化のない空に
毒よりも綺麗だった虹を架けてくれた
真っ暗だったこの場所も 実は宝箱の中で
光を照らしたらちゃんと輝けることを知った
静寂の夜空に舞う蛍の群れや
一面に広がっている夏の日の向日葵
誰もが憧れる山の頂さえ
遠くから見ていたから綺麗だったんだね
時代の早い流れと隠せぬその優しさで
届かないはずの世界線が近づいてきたから
もう今日からあなたは
僕の憧れじゃない
心に鎧をくれた
昨日までにありがとう
だけど次の僕は
新しい道を行く
まだ弱いまま武器すら持ってないけど
誰の影にも頼らずに一人で
指し示された行き先に素直に従い
不釣り合いな服を無理して着たりもしたけど
僕からの「さようなら」で歩き出してみるよ
何にも縛られないで身軽なままで
もう今日からあなたは
僕の憧れじゃない
他人(ひと)より随分長く
春に身を置いていたけど
若さと幼さを
履き違えないように
踏み締めてきた足跡に誇れるよう
清らかな心で前だけを向いて
「開花」
熟れた海に円い波を起こす
だけど小石では何も変わらない
ため息で窓が白くなる
それだけが今を生きている証
折り紙の飛行機 空へ放つ
誰かの指先を待ち続ける
過ぎ去れば跡形さえ無い
そんな儚いものを産み出している
だからせめてこの道を
進むときには常に立てた爪
抱かれた夢の気持ちも知らず
一途に種を零した
誰のためにではなく
自分が滅びない、そのためだけに
このひと夜限りの生を
名も知らないあなたに託して
見上げれど 月は何時までも
消えることも満ちることもないまま
それでもやがて巡り来る
潮時のため育み絶やさず
花びら 誰もいない夜に
恥じらいから逃げ出して
秘めていた香りを蕾から
バルコニーに解き放った
このひと夜限りの生を
通りすがる蝙蝠に託して
「ドゥリモンスタ」
故意に堕ちて 足りない言葉並べて
まるでフィッシング 甘い反射を選んで
ジャンプしたなら 全てがよく見えてきて
褒め称えたり美辞麗句プレゼントしたり
会わないでね 光は求めないで
暫くは傍においでにならないで
夢を見せてる夢に溺れる夢の中
心弾ませるスタンドじゃ使いきれぬテレパシー
そろそろ勢いのまま さぁ!
オーエス オーエス リアルで惹きつけるんだ
着飾って 後悔するなんて
シークレットシューズみたいで恥ずかしいな
夢から逃げる夢も醒めちゃう? 願うは…
心が痛まない日常 そんな普通が欲しくて
ここは空虚だけの都
SOS こちらで自然にいたいな
でもまだ痛いな
「普通の星」
いつだって僕等は
当たり前の呼吸を
思い切りしてきた
限りないものなど
ある筈もないのに
知らないふりをして
全ての物は借り物だから
どれも無くさぬよう
ずっと僕等は破壊したがるけど
それでも儚いほどに無力だ
誰も知らない明日を生きていく
次の僕等の居場所にも
特別な力が宿る普通の星を残して
なぜだろう僕等は
僕等という境を
守り続けてきた、
何の理由もなく
自分以外の色を
否定し続けてきた
生きていくため生きている人
それを見失って我が為だけに生きている人
全て均して
誰も知らない明日を生きていく
次の僕等の住処はどこだって
居心地の良い世界でありますように
地球では抱えきれないほどに膨らんだ
キキュウがついに宇宙にも
ガラクタを飛ばした
望まれて産まれて
行き場を無くしている
輪を描けないなら
一度止まって
誰も知らない明日を生きていく
次の僕等の居場所にも
特別な力が宿る普通の星を残して
「クモ」
街角に溶け込んだ スーツを身に纏っている「クモ」
時折口角を上げ 会話をしながら下見をする
誰が持つ何を狙うか
手に入れたら何処で落ち合うか
見えない道を頭の中で繋げていく
壮大なプロジェクトのため 集ったプロフェッショナリスト
不可能を可能にする 技術と道具を揃えていく
図面を手に入れたのは
分析するためだけではなく
獲物の檻を完璧に再現したいから
重い扉を開け オープンカーを走らせて
州境を越えていく 手段を選ばず 1, 2, 3, 4
転がって潜り込んで 時に重力に逆らって
輝きを隠す鈍い箱を華麗に美しく奪う
ぶつかってまとまって 時に仲間すら欺いて
あくまで計画通りに狙う全てを手に入れる
回り道に見えても目的地なら外さない
我ら心のクモに誓って
標的まで少しずつ間合いを詰めていくための作業
カメラも味方につけて 敵を買って嘘をばら撒いて
久しぶりの外界の空気 一歩街に繰り出して
退屈さを持て余すのも退屈した仲間捕まえて
止まっていた時計を再び動かして
騒々しい歓楽街をさらに賑わせる
転がって潜り込んで 時に重力に逆らって
一度は失ってしまった貴方さえも奪い返す
ぶつかってまとまって 時に仲間すら欺いて
あくまで計画通りに狙う全てを手の中に
そして明日になれば 糸の見えない他人にもどる
体に刻むクモを潜めて
「ひとはひとり」
人は皆一人で誰も同じじゃない
だからお互い違うところを
全てさらけ出して
わかり合えればほら
繋がりが生まれ星座を描ける
人の波に泳ぎ疲れ小さな城に閉じ籠り
音も光もない時間を過ごしたくなるね
そんな時は躊躇わずに心を折り畳んでみれば
内側の自分と初めて向き合える
そして見えた枠が相手と一ミリでも重なれば奇跡
人は皆一人で誰も同じじゃない
だからお互い違うところを
全てさらけ出してわかり合えればほら
繋がりが生まれ星座を描ける
きっと誰もが一度は味わった
いっときの嫉妬心を
じっと耐えて一個だけでいい
自己のいいところを認めてみよう
一人ひとりの中にいる
ヒーローなら色とりどり
二兎追っても一兎もヒットしない
地層の宝石まずは探そう
そしてまずは自分が
好きな自分になるところから始めて
人は皆孤独でだから人を求め
言葉を遣って心を交わし
空気を作り合って調和が始まれば
数ある星から星座が生まれる
曖昧な自分でい続ければ
大体な塩梅の関係しか築けない、が
案外それを否定したいがための歌ですらない
毎回満開の花で快感得られる程簡単にいかない
対外的とそうでない自分を采配しながら徘徊しよう
天神行きのバスの中思い出す
天真爛漫許された時分や
円陣組んだ青春の日々
前進できず立ち止まった時
先進的なことはしなくてもいい
全員と仲良くなれとは言わん
エンジンをまたかけられた時に
年輪を一つずつ重ねていこう
正午の実験室
All Songs Written by 邦秋
Voice, Manipulation: 邦秋
Self Recorded at Dragonhead, and Shimamura Music Studio
Cover Illustration "正午の実験室" by YHiRO
Special Thanks to
New Retro Club,Maysopalette, Holsband, 7030naomio,
Rasnicheck, Riyans, 41PM, Uzume,
Yamashita Taka-kun, Shirado Shigeki,
Koto, riasu, Kuroboshi Haduki,
Long Beach Company, Diana, Sindbad, JR Kyushu, Apple,
The Great Artists I Respect,
All My Family and Friends
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